シカゴの旅―その2

 学会場はマコーミックセンターという、バカでかい会場で、端から端まで歩くと、ゆうに10分以上かかります。ホテルやショッピングモールが並ぶダウンタウンからは、ミシガン湖に沿って南へ5-6 kmも離れています。

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『学会場のマコーミックセンターとダウンタウンの中間にあるばかでかい公園。桜がきれい!』

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『学会場のコンベンションセンター』

 で、昼めしを食べるのに、ダウンタウンまで帰る気がしないので、学会場から1 kmほど西にあるチャイナタウンに行きました。チャイナタウンはどこにでもあります。

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 行ってみると、小さいですが、ちゃんと中国風の門(鳥居みたいなやつ)までありました。その門をくぐってすぐ左手に「大三元」という店を見つけて入りました。英語表記はTriple Crown。欧米人がマージャンで大三元を上がったら、「triple crown!」って言うのかな? 名前が気に入っただけではありません。ビールが置いてそうな店だったからです。

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『看板を拡大してみると・・・』

 というのは、早くビールが飲みたくて、ガイドブックに載ってた店に行ったら、休業中。で、隣の店に聞いたら、ビールは出せないという。その後、何軒か中華の店を回っても、すべてノー。要するに、酒類が出せるライセンスを持っていないのでした。酒屋で買ってきたら飲めるらしいのですが、肝心の酒屋が見つからない。ふと振り向くと、さっきの門が見えたのです。

 ライセンスがない店は、資金もないから門の外でしか営業できないのでしょうね。店もきたないし。

 「大三元」は違いました。きれいだし、大きいのに客で溢れており、20分位は待たされました。で、さっそく「青島(チンタオ)!」。小瓶なので3本呑んでしまいました。

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料理は飲茶。店員がトレイに蒸したての飲茶を何種類も載せて巡回してきます。中を見せてもらって、「これ」と指させばそのままくれます。エビ餃子に野菜饅頭、羊肉の串焼き?みたいなやつ、それ以外に2-3皿頼んで、メチャメチャ美味でした。それで一人25ドル。計算間違ってない? と思うほど安い!

 それに引き換え、「亀八」という日本料理店。味はまあまあだが、オーナーが日本人女性である以外は、全員非日本人。すしを握ってる人は、赤ら顔で腹のでた白人系。ネタはともかく、シャリがアメフトのボールの形をしている。いくらベアーズの本拠地といってもねー。

びっくりしたのは、ワインメニューにあった、ロバート・モンダビの2007年もの(カリフォルニア赤ワイン)が230ドル。当然、注文しなかったけど、ぼったくりもいいとこだ。なんと、酒屋で23ドルで売ってた。数百メートル運ぶだけで1本につき200ドルの儲けとは。料理で勝負せーちゅうの。

それでいうと、ドレーク・ホテルという超一流ホテルで、2007年のオーパスワンが200ドル。これは酒屋で180数ドルだったから、メッチャ良心的や。

シカゴの旅―その1

久しぶりの旅です。

シカゴの気候は誰にも予測できない。オヘア空港に着いたのは、57日(土)の午前8時。5月というのにコートがいるくらいの寒さでした。実際、準備万端の人は、成田空港でコート姿でした。知人だったので、思わず「どうしたん? 風邪ぎみ?」と訪ねてしまいました。日本は春真っ盛りです。

 しかし、シカゴに来てみて初めて、彼の偉大さがわかりました。はシカゴに何十回と来ていて、何回かは死ぬ思いをしたんでしょうね。今日は、死ぬほどではないけれど、5月の気候ではないですね。

 シカゴに来たのは、毎年この時期に開催される米国消化器病学会週間に参加するためです。世界で最高峰の学会だった(過去形?)この学会に、初めて演題が採用されたのは1982年で、ニューヨークで発表しました。採択されるのは非常に難しく、日本人もパラパラでした。

 その頃に比べると、参加人数は三倍以上に膨れ上がり、採択演題数もうなぎのぼりで、日本語セッションまでできていました。プライドを捨てて集客に日和っているような、手揉みをしている米国人を見るようで、白けた思いをしました。採択されることに全身全霊を注ぎ、採択されたらドンペリでも開けようかと思うぐらい感動したものでした。開いたあとは三ツ矢サイダーで我慢してましたが、なぜか酔いが冷めてくるのです。

 で、学会の話は消化器内科HPの別のコラムでたっぷりご紹介しますので、これくらいにして、シカゴの話をしましょう。シカゴといえば「アンタッチャブル」。私の年代、つまり60歳前後の方は、白黒テレビで毎週放映されるこのドラマを楽しみにしてましたね。同じ頃に、「逃亡者」とか「ベンケーシ」にも夢中になりました。「ベンケーシー」の影響で、主人公が着ていた白衣が流行って「ケーシー」と呼ぶようになりました。若いドクターは知らないかもしれませんね。

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次いで「逃亡者」。リチャード・キンブル扮するデビット・ジャンセン、うん、多分逆や。妻殺しの濡れ衣を着せられた小児科医が、現場から立ち去った片腕の男が真犯人と信じ、その男を追うという物語。ジェラード警部という、名前からしても甘い男がリチャードを追うのですが、土壇場で、真犯人とおぼしき男を捕らえる時間を彼に与えるのです。なんと人情深い警部化と、中学生の頃に感動した記憶があります。1990年代にハリソン・フォードでリメイク、映画化されました。

で、やっと「アンタッチャブル」にたどり着きました。お笑い芸人とちゃうよ。仲間由紀恵のドラマでもない。1987年に映画化されましたが、あれは、白黒テレビドラマのリメイク。ケヴィン・コスナーが「米国の誠実」を代表するようなはまり役でエリオット・ネス(アメリカ財務省捜査官たちのチーム「アンタッチャブル」のリーダー)を演じます。悪役のマフィアのボス、アル・カポネはロバート・デニーロと豪華キャストの上に、ショーン・コネリーがしぶい老刑事役でアカデミー賞助演男優賞を獲得しています。

でも、私が最初に見たのは米国から輸入されて放映された白黒のテレビドラマでした。このドラマがシカゴのイメージを私に強烈に植えつけたのかもしれません。シカゴで理髪店に入ると、ヒゲを剃ってもらっているときに撃たれる、とか、イタリア料理店から出るときは、裏口から出してもらわないといけない、とか思ってしまいます。

 

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『エリオット・ネス役のロバート・スタック。なぜか、このドラマ以外は見かけない』

今回、それを一瞬忘れて「ココパッツォ」というイタリアンに仲間と一緒に入ってしまいました。ところが味は実に美味で、リゾットなどは、ハリウッド・スターが軒を並べる(と言っても軒どうしの距離が異様に離れてますが)ビバリーヒルズのロバート・デニーロの店「トライベッカ」より上を行くかも。値段はずっと安い。あとは、イカリング。海外ではカラマリといいますが、このソースがバッチリ。ガーリックが効いたトマトソースで、パンに付けて食べても最高!

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『ココパッツォのカラマリ。ソースが美味!』

メインディッシュは、「scallopine」メニューでなるべく軽そうなものと思い、なんちゃら「scallopine」というのを頼みました。私はてっきり「scallop(帆立貝)」のイタリア語だと思っていたのですが、出てきたのはどう見ても肉。

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『これがscallopine」。どうみても帆立ではない

scallopine」はイタリア語で「薄切り肉」の意味だそうで、結果的に量もほどほどの子牛でよかった。他の人達は、山盛りのペンネや自分の顔より大きい鶏肉のカツレツに苦労してました。デザートのテラミスは絶対肥るからやめたほうがいい。半分ならいいけどね。エスプレッソとパンナコッタはまさに東京スカイツリー。ナンノコッタ?

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『ティラミスはやめとき』

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『パンナコッタはエスプレッソ・ダブルとベストマッチ!』

 それで、帰るときに、ボーイさんにこっそりチップを渡して、耳元でささやきました。「裏口から出してくれる?」。するとボーイさんは「裏口はもっと危ないですよ」と。結局、堂々と表から出ました。弾が飛んで来る音が聞こえたら避ける準備はしていましたが、何も起こりませんでした。しかし、チップは返してくれませんでした。