岩国の旅

日本の旅を語るのは久しぶりです。

10月も末だというのに、汗ばむくらい。ちょっと前に、どこかで桜が咲いたというニュースが流れてました。一時冷え込んで、また、温度が上がってきたので、桜も「春がきた」と思ったらしい。誰がどうやって確かめたか知りませんが・・・。

ところで、岩国という所に来たのはなんと初めて。新幹線に新岩国という駅がありますが、数えきれないくらい素通りしています。「のぞみ」でシュンッと一瞬で過ぎるので、素通りしていることすら意識に残らない、かわいそうな駅です。広島から「こだま」に乗り換えて、たったひと駅なのに、広島駅とは大違いで、駅の周りにはなんにもありません。

おまけに、下に降りると、10分おきくらいに、凄まじい音と振動が来てびっくりします。「のぞみ」が通り過ぎるときの音です。急に来るので、油断してると、本当に心臓が止まりそうになります。

で、なんで物好きにも、そんな轟音を何度も聞いたような話になるかっちゅうと、帰りにそこで1時間近く待たされたからです。新幹線なんて、しょっちゅうくるものと思っているから、来たヤツに飛び乗ろうと思うじゃないですか。ところが、新岩国は、なんとなんと1時間に1本しかないのです。

岩国市街へは、新岩国からタクシーでまだ20分くらいかかります。広島から在来線で岩国駅まで行けますが、これだと50分かかります。なんでわざわざ、そんな田舎まで? 学会でんがな。前回のように、もうダジャレは言いませんよ。「医療の質改善活動」全国大会 in IWAKUNI という学会で、医療の質を高めて、ひとりでも多くの患者さんを救おうとする集まりです。

でも、こんな田舎に新幹線の駅ができたのも不思議ですね。大物政治家の出身地とか? そういえば、初代内閣総理大臣の伊藤博文は山口県出身でしたね。だけど、その頃は、新幹線の「し」もなかったはず。阿部晋太郎は長門市出身ですが、山陽新幹線の開業が1975年なので、阿部さんには当時、そんな実力はなかったでしょう。

で、調べてみると、おったおった、えいちゃんが。時間よ~つぉまれぃ~♪ オイオイ、それは矢沢永吉っちゃんや。正解は、佐藤榮作ちゃんでんがな。熊毛郡田布施町で父親が酒造業を営み、そこで生まれたそうな。地図で見ると、新岩国駅とメッチャ近い。1964-1971年の長期にわたって内閣総理大臣をやったはるので、その頃、ちょうど山陽新幹線の構想が固まっていたはず。ぴったしカンカンや(古る~)。えらい発見してしもーた。

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ところで、山口県はウニが有名と。生産地でもあり、下関は瓶詰めウニ発祥の地。山口県うに協同組合が毎年、ウニ供養祭を行なっているらしい。このときウニを放流するそうです。まるで恩赦ですね。一回だけ、死刑囚にも適用されたそうです。1952年のサンフランシスコ平和条約発効による恩赦で。まー、ウニは犯罪者ではなく犠牲者ですけどねー。

そこで、テレビの「ケンミンショー」を思い出したのです。広島の鉄板焼きといえば・・・。という話です。広島では、お好み焼き屋と並んで多いのが鉄板焼き屋さん。メニューの中で一番高級らしいですが、「うにほうれん」とかいうシロモノです。

大体千数百円から二千円程度。ホウレン草のバター炒めの上に、箱板まるごとのウニをたっぷり載せて出来上がり。若干とろけるウニがホウレン草と極上のハーモニーを奏でるそうです。ところが、広島県人以外は、誰も食べたことがないどころか、知ってる人も居ない。

そこで、岩国は山口県といっても、広島市のすぐ隣なので、試してみることにしました。鮮魚の居酒屋で、店のにいちゃんに、注文をする中にさりげなく「うにほうれん」を混ぜてみました。それまで、ひとつずつ、注文を繰り返して記入していたにいちゃんの口と手が、はたと止まりました。「もう一度お願いします」 ほら来たーーーア、と織田裕二みたいに叫びそうになりました。こ、こ、こんなに近場でも、「うにほうれん」は知られていない。本当に広島だけです。びっくりします。

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【まだ、出会っていない、幻の「うにほうれん」】

「うにほうれん」そのものは、家庭でもすぐ作れるものなので、「作ってよ」と頼んだら、「聞いてきます」だって。帰ってきたにいちゃん「うにがないらしいです」 ナニーーーイ! 鮮魚の居酒屋やゾー! それもウニで有名(ここに来るまで知らんかったが)な山口県やゾー! ちょっと海岸まで行ったら、そこら中に転がっとるゾー! たまにはキリンもゆーたりーや。許さんキリン!、ってワケワカメ。

さて、機嫌を直してぶらり散歩でも。で、有名なものがありました。錦帯橋。1673年に、幅200メートルにも及ぶ錦川に架けられた橋です。中国の「西湖」に点在する島々をつなぐように、長い橋がかかっているのを書物で知った、三代目周防岩国領主の吉川広嘉が、これをヒントにして、激流にも流されない堅固な名橋を完成させたのです。いいことゆーでしょー。

ところで、「よしかわ」さんはポピュラ-ですが、「きっかわ」と読むのはめずらしいですね。さて、ルーツを辿ってみると、藤原氏南家の支流で、

1180年代に、吉川(今の静岡県清水市)に居を構えて、吉川(きっかわ)と称したのが始まりとか。その後、1313年に安芸の大朝に本拠を移したらしいです。吉川晃司は広島県安芸郡府中町の出生だから、吉川家の末裔?「KISSに撃たれて眠りたいぜ OH YEAH♪」なんて言ってる場合やないよ、本当に。

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【錦帯橋の絵と現在の写真:写真中央の山頂に岩国城が見えます】

話を戻すと、この橋で、城と川向こうの街をつなぐことができたのです。この錦帯橋は、眼鏡橋(長崎県長崎市)、日本橋(東京都中央区)とともに日本三名橋の一つであり、また、甲斐の猿橋(山梨県大月市)、祖谷のかずら橋(徳島県三好市)と並んで日本三奇橋のひとつでもあります。誰が決めたかは知りません。

しかし、こんなに有名な橋なのに、わざわざこの橋だけを見に来る人は、ほとんどいない、とタクシーの運転手さんは明るくぼやいていました。広島が観光スポットになっているので、そのついでに寄ってみようか、という人が多いそうです。まー、ここに1日いても退屈ではありますね。

そんなときは、名物探しです。レンコンがありました。岩国レンコンという名前が付いているくらいです。私、レンコン・フェチです。あのシャキシャキ感がたまりません。見通しが明るいのもいいですね。なんせ、8個も穴が開いているのですから。岩国レンコンは特別で、穴は9個だそうです。知ってました? きゅーこん(球根)だから。あー、だまされた。あれは根っこではなく茎でーす。でも9個あるのは本当です。

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【岩国レンコン。穴を数えてみてください】

あの穴が嫌いといって、ときどき穴を残す人が居ますね。あれって、残したか残さず食べたか見分けにくいので、学校給食では出さない所が多いみたいです。私は小学校の時、ニンジンを残して、全部食べるまで職員室に缶詰にされました。ニンジンなら、残すとすぐ見つけられるので使うのでしょうね。

逆に穴狙いという人も居ます。ゴルフしながらでも、携帯ラジオを離さない人なんかそうですね。私の身近にも居ます。こないだも、パッティングのアドレスに入ってから、微動だにしなくなったので、何フリーズしてるんやろ、と不思議に思って見てたら、突然「入った!」と叫んだのです。バーディーパットでしたが、ボールを打つ前に、それ何!? 万馬券だったそうです。